今回ご紹介するのは、猫の難治性の口内炎の症例です。
猫の口内炎んは、比較的多くみられる症例です。
食餌の時に口を痛がったり、よだれが増える、口が臭くなる、 毛づくろいをしなくなるなどの症状が出ます。
原因は、解明されていません。
ウイルスや細菌が原因で口内炎を起こしていることもありますが、ウイルスや細菌への感染が疑われなくても口内炎を起こしていることもあり、免疫の異常な反応が原因と考えられるケースもあります。
口内炎が起きる原因は、はっきりとした原因は不明で、複合的な要因で引き起こされます。
そのため、まずは症状と考えられる原因に対する治療を行っていきます。
今回の症例では、多少歯石が付着していましたが、健康状態は良く口内炎を発症する『これ』といった原因はわからず、抗生物質や炎症を抑えるステロイドの投薬の対症療法をしてきました。
しかし、スッキリよくならず薬が効いている間は良いが、切れてくると再発を繰り返していました。
そして、投薬治療から一歩進んで『抜歯』をすることにしました。
炎症がひどい部分の歯を抜くことで、炎症が収まり薬を減らしたりやめることが期待できます。
矢印で指した、緑で囲った部分が炎症を起こしただれた部分です。
臼歯が当たる部分が特に炎症が強く赤くなっています。
臼歯をすべて抜きました。
症状によっては、犬歯や門歯も抜くこともあります。
後日、経過観察のために診察に来ました。
抜歯をした傷も癒え、炎症も収まりました。
よだれも止まり、口の周りもよごれなくなり、口を痛がることもなくなりました。
この方法は、多くの場合で改善が見られますが全てのケースでよくなるわけではありません。
口内炎があるものの、歯自体は健康でしっかりしていることも多く、抜歯自体が大変です。
そのため、対症療法をまず試し、それでも改善が見られない場合に抜歯を実施します。
長引く猫の口内炎でお悩みの方は、一度獣医師にご相談ください。
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