以前の記事からの続きです
元記事は 猫の皮膚移植と肉球移設の症例 その1 をご参照ください。
生々しい画像が含まれますので、苦手な方はご注意ください。
皮膚移植の術後、定期的に洗浄とバンテージの交換を行い経過を見ました。
術後4日 | 術後8日 抜糸 | 術後13日 |
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移植した皮膚の表面は脱落していますが、皮膚自体は定着して表面にうっすら白っぽく新しい皮膚が形成されている様子が見られます。
さらに、皮膚の再生を促すためにレーザー照射を実施しました。
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レーザー2回目 | レーザー5回目 | レーザー8回目 | レーザー11回目 |
徐々に皮膚が再生しています。
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レーザー12回目 |
自分で舐めてしまった | レーザー15回目 |
レーザー治療開始から |
レーザー治療12回目には、すべての皮膚が再生しています。
しかし、まだ薄く柔らかい皮膚だったため、エリザベスカラーを外していた時に自分で舐め壊してしまいました。
その後もレーザー照射を数回繰り返し、レーザー治療開始から1カ月半後には移植した皮膚からうっすらと発毛が見られるようになりました。
皮膚の欠損部の治療にめどがたち、次に問題になったのは前足の先が壊死し、指先の肉球が落ちてしまい指の骨が露出していることです。
肉球が欠損し、骨が露出しているとクッションがなく体重をかけることができないので、足を着くことができません。
そこで、残っている手のひらにあたる部分の肉球を、指先に移設する手術を行いました。
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手術直後 | 術後2週間 |
残っている肉球を露出した指の骨を覆うように移設し縫合しました。
術後すぐは痛々しいですが、2週間後には縫合部も落ち着き定着しました。
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抜糸後 | 抜糸後3日 |
無事抜糸も済みました。さらに、その3日後エリザベスカラーも外れ、リラックスして過ごす姿が見られます。
追記
エリザベスカラーを外してすごす時間が多くなりましたが、また患部を舐め壊してしまいました。
再びカラー生活です。
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再び舐めてしまいました | 1週間後 ずいぶん落ち着きました |
さらに1週間後 だいぶ毛がふさふさになりました |
野生動物用の罠で受傷したケースでは、治療に時間が長くかかることや、今回のケースのより損傷がひどかったりすることも多く、断脚を選択することも少なくありません。
しかし今回は、3か月間の長い入院治療を耐えてくれたネコちゃんの頑張りもあり、断脚をせずに。にすみました