今回は、トイプードルの肘の脱臼の症例です。
14歳の高齢のプードルで、4~5日前から右前足を痛がるようになり受診されました。
そこで、原因を探るためレントゲンを撮影しました。
レントゲンの結果から、右肘関節の外側脱臼が判明しました。
そこで、まずは手術ではなく、鎮静下(軽い麻酔状態)で、整復を試みました。
しかし、なかなか脱臼の整復ができません。
通常、小型犬のような体重の軽い犬で、痛がり出してからの時間の経過からならば、関節が入り整復できるはずなのに焦ります(´゚д゚`)
翌日、気を取り直して再度整復を試みましたが、やはり整復ができず…
手術で、切開し整復することになりました。
手術で、関節を直接見ることで分かったことは、以前から脱臼していて、そのまま固まってしまっていたこと。
そして、整復してもすぐにまた脱臼してしまうことでした。
そこで、関節を固定することにしました。
医療用のネジ(スクリュー)を |
スクリュー(黒い矢印)に ナイロン糸(黄色い矢印)をかけて固定 |
患肢が腫れないようバンテージを巻く |
手術では、脱臼した肘関節を整復し、再び脱臼しないようにスクリューとナイロン糸で側副靱帯(関節を補強する靱帯)を再現しました。
今回の症例は、症状の経過やレントゲン写真だけではわかりずらい部分が、手術をすることで発見された症例でした。