今回紹介する症例は、ウサギの大腿骨骨折の一例です。
4歳の1.2キロの小さなウサギさんです。
少し高いところから飛び降りてしまい、後ろ足の骨をバラバラに骨折してしまいました。
右の大腿骨がバラバラに折れています。 |
手術は、創外固定法を用いて行いました。
創外固定法の説明は、以前にも紹介しているので省略します。
参照:症例紹介 創外固定による後肢の足根関節骨折の整復 | さくら動物病院 (izu-sakura-ah.com)
創外固定法は、このように骨がバラバラに複雑に骨折した症例に適しています。
切開するのは、ピンを挿入するために皮膚を数か所、それぞれ1cm程度ど切るだで、骨折部が露出しない点がすぐれています。
麻酔の導入 | 剃毛後 骨折部位が内出している。 |
牽引をして、 |
ウサギの喉の構造は、犬猫と違い特殊なためウサギ専用の気管チューブを使い麻酔をかけます。
麻酔がっかった状態で剃毛します。毛を刈ると骨折部位が内出血していることがわかります。
医療用ドリルで |
2本のピンを 仮止めします。 |
骨折面が合ったら、 ピンを追加、針金でパテを乗せる土台を作ります |
医療用のドリルで骨折した骨の両端にピンを打ち込み、術中にレントゲンを撮りながら骨折を整復していきます。
パテを付けて 固まるのを待ちます |
固まったら、余分な部分を切り取ります。 | 包帯や、クッション材を付けて保護します。 |
骨折面が合ったらったら、追加でピンを打ち込み、最後にはエポキシパテ(エポキシ樹脂を使ったパテ)で固定します。
←整復前 | ||
整復後→ |
手術の最後に、足を動かしてパテが邪魔になっていないか、ピンが関節の稼働に邪魔になっていないか最終確認をしました。
ウサギは、比較的骨が脆く、抱っこしていたら飛び降りてしまったとか、びっくりしてケージに足が引っかかってしまったとか、ちょっとしたことで骨折をしてしまいます。
当院では、犬猫をメインに診療をしていますが、ウサギの治療も積極的にしていますのでご相談ください。
また、以前実施したウサギの骨折治療もご紹介したいますのでご覧ください。
症例紹介 ウサギの骨折の1例 | さくら動物病院 (izu-sakura-ah.com)
動物のそれぞれの症状や状態にあった治療法を飼い主さんとご相談の上実施していきたいと思います。