今回ご紹介する症例は、アキレス腱の断裂をした猟犬の一例です。
この猟犬は、狩猟中にメスのイノシシにかかとを噛まれ、アキレスけんを断裂してしましました。
皮膚は大きく裂け、断裂しているアキレス腱が露出していたため、細菌感染の恐れがありました。
ここからは、手術中の画像を含みます。加工をしていますが、苦手な方はご注意ください。
矢印が示す部分がアキレス腱が断裂している断端 |
赤い矢印が、アキレス腱を縫合した部分 |
そのため、患部をよく洗浄しドレーンと呼ばれるチューブを設置しました。このチューブを設置することで、傷を縫合しても患部の洗浄がしやすく、感染を起こして膿が出たとしても排出してたまるのを防いでくれます。
このドレーンは、2~3日で患部からの排液がなければ外します。
受傷直後は、圧迫包帯をします。 | 後日、創外固定で固定しました。 |
アキレス腱を縫合し、繋げた後はアキレス腱がくっつくまで動かないように固定します。
受傷直後は、圧迫包帯で固定し、後日創外固定で、がっちり固定しました。
その後、経過は順調でした。固定を、創外固定からギプスでの固定に変更し、自分で取ってしまわないようにエリザベスカラーを装着し自宅に返しました。
しかし、自宅に帰って療養中ギブスを食べちゃいました(*´Д`) 甘かった( ;∀;)
病院で入院していたランケージとは環境が違うので、エリザベスカラーを上手く引っ掛けて患部を舐めたり、齧ったりする事があります。
そして、まだ固定をしているべき期間の途中でアキレス腱の回復が不十分だったため再度断裂しまったようでびっこを引くようになってしまい再度来院しました。
後編へ続く
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