症例紹介 猟犬のアキレス腱断裂の一例 再手術が必要になった1例 前編からの続きです。
自宅に帰り、ギプスを食いちぎってしまい、再びびっこ引くようになり、再度アキレス腱を断裂したようでした。
アキレス腱が断裂しているかどうか触診で検査します。
正常な場合、膝を90度に曲げた時に、足根関節が曲がる角度は90度です。それ以上に曲がる場合は、アキレス腱の断裂、伸展(伸びてる)、離断骨折が考えられます。
2つ目の、患肢の動画では明らかに90度よりも曲がっています。
まずは、正常な足の屈曲の様子です。
こちらは、アキレス腱を断裂した患肢の屈曲の様子です。
検査の結果、アキレス腱の断裂が明らかになったため再手術をすることにしました。
そこで、今回は外科専門医の推奨する縫合方法で、アキレス腱をつなぐことにしました。
手技は古典的なものですが、理解するに複雑で面倒なので、前回はもっと単純な方法で行っていました。
いざ練習してみると、イメージとしては縦に繊維が走る貝柱の端と端をつなぎ合わせる感じですが、3次元で立体的に構築して縫合部にギャップができにくい仕組みになっています。
今回の手術のおかげで、改めて先人の努力と知恵を垣間見ることができ嬉しくなりました。
患肢を剃毛、消毒をし麻酔をかけて手術の準備です。 |
アキレス腱縫合後、 |
前回の固定より、 がっちりしました。 |
最後に、保護のために バンテージをします。 |
今後、経過をみて最終的には創外固定を外して完治となる見込みです。
今期の猟期は終わりましたので、来期の猟期までゆっくり療養して、再び元気に山でイノシシやシカを追いかけることができるでしょう
こちらの、前編はこちらになります。合わせてご覧ください。