かの有名な童話『100万回生きたねこ』ならぬ、『100万回罠にかかった猫』がいます。
もちろん100万回というのは比喩ですが。
昨年の末ごろに罠(おそらくイノシシやシカを捕獲するためのくり罠)にかかり、肉球を一つ残し中手骨(手の甲の骨)から先が脱落してしまいました。
歩様は、この動画のようにつま先をチョンとつく程度で、残った肉球をそこに移設するか、出血がなくなればこのままにするか様子を見ていました。
ところが、その3か月後外に遊びに出てしばらく帰ってこず、心配して10日目やっと帰ってきました。
なんと、左前足も罠にかかり二の腕あたりから先がミイラ状態になっていました。
一昔前は、違法なトラバサミというタイプの罠にかかり、足がギタギタになって帰ってくるということはありました。しかし、イノシシやシカのくくり罠では猫のような小さな動物はかからないようになっていたはずです。
しかし、ここ4~5年、猫の前足がくくり罠にかかって受診するケースが増えてきたようです。
猫がかからないよう、くくり罠を改善できないものなのでしょうか?
それとも、自由に外を出歩く猫が悪いの?
今後、右前足は手術で残る肉球を歩くときに地面に接地する足先へ移動します。
左前足は、断脚するしかなさそうですが、義足が可能か、可能ならば足をどこまで残すのが良いのか、義足のメーカーと相談しながら検討していきたいと思います。
この猫ちゃんの生活の質が少しでも良くなるように、飼い主さんともよく話し合い今後も治療をしていきます。