今回紹介する症例は、犬の橈尺骨骨折の一例です。

橈尺骨とは、前肢の足首から肘の間の骨です。橈尺骨といいますが、橈骨と尺骨の2本の骨で構成されています。

高いところから飛び降りたり、抱っこしていて落としてしまったりした拍子に骨折してしまうことがあります。

比較的小型犬で多く見られる骨折ですが、大型犬でも見られます。

今回紹介する症例では、ラブラドールの女の子でした。

橈尺骨のちょうど中央あたりで骨折しています。

治療法として、内固定法、手術で患部にインプラント(今回は、金属製のプレートとスクリュー)を使用し固定していく方法を取りました。

＊手術の患部の写真があります。加工していますが、苦手な方はご注意ください。

手術で金属製のプレートとスクリュー(ネジ)で固定します。
今回の症例では、スクリューでプレートを固定するだけでなく、骨の割れたかけらを寄せてスクリューで固定しました。

橈骨と尺骨の2本を骨折していますが、固定をするのは橈骨のみです。

尺骨は、橈骨を整復すると自然に元の位置に整復されます。

元の位置に戻れば、尺骨の骨折も一緒に治癒していきます。

今後は、定期的な診察とレントゲンの検査で経過を見ていきます。

必要に応じて、固定に使っているプレートやスクリューを外していきます。(年齢や状態によってはプレートやスクリューを外さず残したままにすることもあります)

その他の症例にご興味がありましたら、ブログの症例紹介をご覧ください。